Day Dream Believerはセブンイレブンの夢を見るのか?
「マチのほっとステーション」で「あなたとコンビ」になれても「いい気分」にはなれなかった沖縄県に,ついにセブンイレブンが出店した。これは沖縄県民からすると,かなり(少なくとも200人の行列を作るくらいには)感動的なできごとである。ちなみにお気づきかもしれないが,自分は沖縄県出身・現東京在住の身である。
自分が中学生のころ,修学旅行先でこんなことがあった。
行き先である長野のスキー場へ向かう観光バスの中。やたらと長時間の移動に辟易しながら窓の外の風景を眺めていると,赤と緑の看板が目に入った。「あれがセブンイレブンか。初めて見たかも」などとぼんやり考えていると,突如クラスメイトの女子数名がはしゃぎ始めた。
「セブンイレブンだ!!」
「すごい!!」
「初めて見た!!」
カシャ。カシャ。カシャ。
彼女らはケータイ(当時はガラケーだった)で窓ごしにセブンイレブンの写真を撮り始めた。
やめてくれ……
地元沖縄にはないものとはいえ,たかがコンビニである。それをあたかも観光名所のように扱うのは,当時の自分にとって恥ずかしいことのように思えた。
だけど,その気持ちは少しわからなくもなかった。あの赤と緑に輝くセブンイレブンの看板は,まさに外の世界の象徴であった。例えるなら,ずっと内陸で育ってきた子どもにとっての「海」である。まさかしょっぱい湖が実在するなんて!
そんなセブンイレブンが地元に出店したのだ。これは一大事である。あのころ,セブンイレブンの写メをとった彼女らも開店の行列に加わったのだろうか。それともかつてセブンイレブンに夢を抱いた気持ちすら忘れて最寄りのコンビニ行ったのだろうか。