何かにまつわるエトセトラ

確かめにいこう

「弁当」に込められた二つの意味

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少し前の曲だがこの曲が大好きである。上京して地元とは距離を取ったとはいえ,時には「地元沖縄感」を感じたくなる。そんなときによく聴くのがこれだ。トラックもリリックも完璧だと思うのだが,唯一気になっていることがあった。それはこの部分である。

 

愛妻弁当を持って家を出るのに

食らわないようにしている弁当と懲役

CHICO CARLITO/一陽来復 feat. CHOUJI, 唾奇(2分4秒の部分)

 

いやいや。なんで「弁当」を2回言うんだよ。ってかせっかくの弁当食えよ。ここさえなければ完璧なのになぁと偉そうに心のなかでツッコミを入れていた。だが結論から先に言えば,このツッコミは完全に的外れなのである。なぜなら「弁当」に込められた2つの意味が理解できていないからである。

 

まず「弁当」の1つ目の意味。それはシンプルにあの食べる弁当である。リリックの「愛妻弁当」の部分がそれに当たる。そしてここからが重要である。「弁当」の2つ目の意味。それは執行猶予のことである。後の方の「弁当」はこちらの意味で使われている。

 

つまり,引用部の解釈は以下のようになる。

 

愛妻弁当は食らう(=食べる)が,執行猶予(=弁当)と懲役は食らわないようにしている」

 

なるほど。うまい。「弁当=執行猶予」というスラングを知っている人ならば一発で理解できたのかもしれないが,自分には知識がないゆえに違和感を感じてしまった(あろうことかツッコミを入れていた)。恥ずかしいかぎりである。

 

今後「弁当」という単語を聞いた時には,2つの可能性を吟味することにしよう。「できたての弁当」とは,執行猶予が与えられたばかりという意味かもしれない。「早弁」とは執行猶予が早まったということかもしれない。