危なくない日記

サブカルチャーと社会学の交差地点

ツバメノートのはなし――あまりに橋本愛的な

突然の告白で申し訳ないが,自分は「ツバメノート」を愛用している。「ツバメノート」と聞いてすぐにピンときた人は多少なりとも文具にこだわりがある人である,ということが予想される。そもそも文具にまったくの興味がない人は,文具の製品名をわざわざ覚えないと考えられるからだ。文章の雲行きがさっそく怪しくなってきたので念のために言っておくが,ここでは別に文具へのこだわりのない人を批判したいわけではない。その人が文具に「こだわり」があろうとなかろうと自分にはあまり関係のないことだし,それは多様性のひとつの現れに過ぎないのだ。

 

話を「ツバメノート」に戻そう。

 

「ツバメノート」とは,ツバメノート株式会社が販売している至って普通のノートだ。一度は目にしたことがある人がほとんどだろう。

 

f:id:yune_suko:20161201035231j:plain

 

どこにでも売っているわけではないけど,入手しづらいということはない。

 

みんなが使っているというわけではないけど,誰も使っていないというわけではない。

 

見栄えがとても良いというわけではないけど,決して悪くはない。

 

そんなノートだ。自分はこのツバメノートをここ数年ずっと使っている。理由は,機能的な面,例えば書きやすさとか,もあるがそれ以上に,上に述べたようなツバメノートの絶妙な立ち位置がとても気に入っているからだ。芸能人で例えるなら誰だろうか。一昔前(『あまちゃん』の放送前後くらい)の橋本愛がちょうどその立ち位置にいたような気がする。

 

知っている人は少なくないけど,みんなが知っているわけではない。

 

邦画でよく起用されるけど,バラエティ番組にはあまりでない。

 

問答無用で可愛いというわけではないけど,割と可愛い。

 

そう。「ツバメノート」はノート界の橋本愛なのだ。もちろん自分は橋本愛が好きだ。『桐島,部活やめるってよ』は自分の知っている映画のなかではオールタイムズベストだし,『あまちゃん』は橋本愛目当てに全部見た(後半は,のん a.k.a.能年玲奈 の虜だったが)。

 

その一方で,巷で一番よく見かけるノートと言えばコクヨの「キャンパスノート」だ。誰もが一度は使ったことがあるだろう。文具コーナーに行くと必ず置いてある。

 

f:id:yune_suko:20161202224928j:plain

 

しかし,自分はこの「キャンパスノート」には惹かれない。なぜならこのノートは皆に知られすぎているからだ。例えるなら「キャンパスノート」はノート界の広瀬すずだ。広瀬すずは間違いなく可愛い。正直『ちはやふる』はとても観たい。しかし,自分は素直に「広瀬すずかわいい!」と言えずに,「それもよりも橋本愛最高!」と言ってしまう性分なのだ。なぜなら,広瀬すずは「キャンパスノート」のように人々の暮らしに浸透しすぎているからだ。夜にノートが足りなくなった高校生はローファーをひっかけ,近所のツタヤさんに行き,お小遣いの一部からキャンパスノートを買い,ついでに今週のONE PIECEを立ち読みし,iPhoneRADWIMPSを聴きながら家に戻り,ツイッターで友達の投稿を眺めながら時々流れてくる広瀬すずの画像をリツイートしていくつかの「いいね!」を稼いだ後,ベッドの枕元に置いてあるミニオンズを横目に健やかな眠りにつくのだろう。

 

そうした生活も悪くない。むしろ好印象すら覚える。だが,それはあまりにも「広瀬すず的」過ぎる。自分はもっと「橋本愛的」なものを欲してしまう。

 

広瀬すずの姿が頭をよぎるが,それを振り払うかのように今日もツバメノートにペンを走らせる。